5.一眼レフカメラ使いこなしの奥義
 本当に久々の更新です。今回は「露出」について書く予定でしたが、ちょっと脱線します。友人や会社の同僚から「一眼レフを買いたいんだけど。」と相談を受け、先に書いた「被写界深度」と同様に勧めていましたが、その後の反応がどうも鈍いのです。どうも思い通りに撮れなかったらしいのです。この「思い通り」が厄介で、「オートフォーカスの一眼レフなら、誰でもシャッターボタンを押すだけで、何でも上手く撮れるはずだ!」と思い込んでいるような気がします。「思い通りではなかった」ことを聞いてみると、だいたい「なんとなくボヤッとしている。」とのこと。そこで、いきなりですが絶対に失敗しない方法を伝授しましょう!
  @ ISO400のネガフィルムを装填し、明るい日中の順光で撮影すること。
  A メイン被写体は、あまり動かないモノにして、画面中央に置くこと。
  B カメラを構えるときは両脇を閉めて、シャッターボタンは人差し指の腹で軽く半押しして
    ピントが合ったことを確認してから、そのままゆっくり押すこと。
  C 露出モードをシャッター優先AEにして、1/250秒より速いシャッタースピードで撮ること。

以上、この4点だけを守れば、まず失敗することはないでしょう。「えぇ〜これじゃあ、せっかく一眼レフを買った意味がない!」という意見が聞こえてきそうです。コンパクトカメラでは出来なかった、望遠レンズで被写体を大きく写したり、動いているモノを止めて写したり、背景をぼかしてみたりすることは、ちょっと予備知識と技術がないと撮ることは難しいのです。一眼レフを買って今ひとつ「しっくり」きてないなら、騙されたと思って上記の「奥義」を試してみて、ちゃんと撮れることを確認してみて下さい。

6.ピント合わせ
 オートフォーカス(AF)ではピントを合わせたい被写体をファインダー内のAFエリア(AFが作動する範囲)内に入れて、シャッターボタンを半押しするとピントが合います。ピントが合うとファインダー内に合焦マークが点灯したり、ピピッ!と電子音がしたりします。そして更にシャッターボタンを押し込むとシャッターが切れます。
 「シャッターボタンの半押し」というのが初めのうちはわかりにくいかもしれませんので。まずフィルムを入れる前に、シャッターボタンをどの程度押すとAFが作動するのか、ゆっくり人差し指で押していって確認して下さい。AFが作動したら、シャッターボタンを押す指を止めてピントが合うまで動かさないことが重要です。ピントが合ったら、そのままのテンションでシャッターボタンを押しこんでいくとシャッターが切れます。この際、力を入れすぎたりすると、カメラブレの原因になるので注意が必要です。
 AFロック:AFエリアはファインダー中央部にありますので、ピントを合わせたい被写体を内に





6.フィルム
 デジカメの勢いに押されていますが、まず「フィルム感度」について。あまり意識したことはないかもしれませんが、「100」とか「400」とかISO感度で表記されています。これは明るさに反応するフィルムの能力のことで、数字が大きいほど感度が高く(ISO400以上は「高感度フィルム」と言われる)、暗い条件でも撮影条件は有利になるが、その反面でフィルムを構成する粒子が粗く、大きくプリントした場合はザラザラ感がある。ISO50ぐらいの低感度フィルムでは、このザラザラ感は無く非常に滑らかなのだが、明るさに反応する力が少ないので、絞りを開けたり、シャッタースピードを遅くしなければならない。
 また、種類としては「ネガ」と「リバーサル」があります。まず「ネガフィルム」はごく一般的なプリントを前提としたフィルムです。ネガのままでは色がわからず、プリントによって色が再現されます。実はこれが問題でして、過去にこんな経験がありませんか?焼き増ししたら最初のプリントと色が違ったっていう...これはプリントするときの機械の調整によって色が変わってしまうからです。もともと、どんな色で撮れているのか把握出来ないため、撮ったときにイメージした色と異なっていると、露出のミスなのかプリントの機械の調整によるモノなのかがわかりずらいということがあります。「リバーサルフィルム」はスライドで映写したり、印刷の原稿用として使われるフィルムです。別名は「ポジフィルム」。こちらは見たままの色がフィルム上で見ることが出来るので、生の写り具合の確認が出来るのです。ただしフィルムが小さいので、ピントの確認にはルーペとライトボックス(中に蛍光灯とかが入っていてその上にポジやネガを置いて見るモノ)が必要です。プリント(ダイレクトプリント)することも出来ますが、L版1枚で100円くらいしますので少々コスト高です。またネガに比べてラチチュード(フィルム上に再現出来る明度の許容範囲)が狭いため、露出の決定がよりシビアになります。ネガに比べてリバーサルはプリントを前提に考えるとコストが高く、露出も難しいのでメリットが少なく思われるでしょう。しかし、リバサールは自分のイメージした色の写真が撮れているかを確認することが出来ることが最大のメリットであり、露出をマスターするにはこの確認は非常に大切なことなのです。ただし、結婚式や運動会など、プリントを配布することが前提であったり、明暗差が大きい被写体を撮る場合はネガの方が良い場合もあるので、両者のメリットを生かして使い分けるのが賢明でしょう。 

「露出」とはフィルムに映像を焼き付けることで、シャッタースピード、絞り、フィルム感度の組合せで決定されます。
「適正露出」とは「見たままをそのままフィルム上で再現していること」としてお話しを進めさせて頂きます。というのは「適正露出」には個人差があり、明るめで淡い調子を好む方もいれば、暗めで濃い調子を好む方もいると思います。ここでちょっと疑問を感じた方がいらっしゃるかもしれませんので補足しておきます。カタログ等の商品の撮影では被写体の色を出来るだけ忠実に再現しなければなりませんが、撮影の途中ではフィルム交換を任意に行うことは出来ないので(中判カメラ等では交換出来る機種もあります)、基本的にはシャッタースピードと絞りでコントロールします。 
 
今回は「露出」のお話しということですが、その前にまずはフィルムから触れていきましょう。フィルムの種類は大きく分けて2つあります。
 
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